DNA Data Bank of Japan
DDBJ メールマガジン  
No. 15  2004年7月30日発行
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 ■石麻呂に我物申す夏痩せに良しといふものそ鰻捕り喫せ 
うなぎといえば浜松が有名ですが,国立遺伝学研究所のある静岡県三島市もうなぎのおいしい土地です。 秘密は湧き水(富士山雪解け水)ではないかと思います。 出張などで三島にいらしたら一度お試し下さい。
隔月公開の DDBJ メールマガジン第15号 web 版です。 メールマガジンに関するご質問やご意見がありましたら ddbjmag@ddbj.nig.ac.jp までどうぞ。
 ■DDBJ のホームページ更新 
既にお気付きのように6月21日に DDBJ のホームページを一新しました。 デザイン・機能ともに見やすく,また使いやすくなりました。
各ページ青い線上にある Search 機能に,従来からのサイトサーチに加えて SRS を追加しました。 プルダウンメニューから「DNA」または「PROTEIN」を選択し,キーワードを入力して下さい。 DNA を選択した場合は DDBJ 定期リリースと新着データが,PROTEIN を選択した場合は DAD と SWISSPROT, PIR 定期リリースと DAD 新着データが検索対象データベースとなります。どうぞご活用下さい。
なお,一部のサイトの URL を変更しましたので,ブックマークをされていらっしゃる方はご注意下さい。
 ■DDBJing 講習会の報告 
DDBJ では全国各地で「DDBJing 講習会」を開催しています。 DDBJing 講習会は,塩基配列の登録方法や DDBJ が提供しているデータベース検索・解析サービスをユーザの方々により深く理解して利用していただく助けになることを目指しています。
前回のメールマガジンでもご案内しましたが,7月7-8日に国立遺伝学研究所(静岡県三島市)にて第10回 DDBJing 講習会を開催しました。 今回は入門編と応用編を設けて,初心者の方にもわかりやすい講習を目的としました。 新潟から長崎まで,全国各地から23名の参加がありました。 ご参加下さった皆様ありがとうございました。
これまで要望の多かった資料ダウンロードページを新設しましたので,どうぞご利用下さい。 講議の様子を撮ったページも公開しました。
次回の開催日は未定ですが,今年度中に関西方面での開催を検討しています。 詳細が決まりましたらこのメールマガジン上でご案内いたします。 また,開催のご要望がありましたら検討いたしますので,どうぞ以下のメールアドレスにお問い合わせ下さい。
ddbjing@ddbj.nig.ac.jp
 ■BLAST に tblastx プログラム追加 
DDBJ が web サーバと E-mail サーバで提供している相同性検索サービス BLAST に,tblastx プログラムを追加しました。 tblastx プログラムは塩基配列を表裏合わせて6通りの読み枠で翻訳しながら,同様に翻訳された塩基配列データベースと比較します。
7月15日より,従来の blastn,blastp,blastx,tblastn に tblastx を加えた5つのプログラムが利用可能となりました。 どうぞご利用下さい。
 ■DDBJ リリース 58 完成 
DDBJ が管理・収集している塩基配列データベースは,リリースとして定期的に年4回オンライン上で公開しています。 6月30日に DDBJ リリース58 を完成しました。 リリース58 のエントリ数は 34,917,581,総塩基数は 39,812,635,108 塩基です。
DDBJ で現在公開中のデータベースは以下の通りです。 DDBJ リリースも含めた DDBJ で公開中のデータベースや日米欧のデータ量の割合,登録塩基数の多い生物など各種統計資料については DDBJ の統計をご覧下さい。
FTP による定期リリースおよび新着データのダウンロードサイトはこちらです。

現在公開されているリリースの情報
DNA
database
Rel.DateDDBJ
Date
EntriesBases
DDBJ5806/0406/04 34,917,58139,812,635,108
Protein
database
Rel.Date DDBJ
Date
SequencesResidues
DAD2703/0403/04 1,743,365534,642,804
PIR7903/0404/04 283,36796,191,583
SWISS-PROT4303/0407/04 146,72054,093,154
PRF9705/0406/04 256,94091,050,935
PDB PDBサイトでは週1回データの更新を行なっています。
DDBJ ではこのデータを毎日チェックし,更新しています。
・Date----------------リリースノートに記載されている正式公開日付
・DDBJ date-----------DDBJで公開した日付
・Rate of increase-----前回リリースの総塩基数に対する増加率


 ■DDBJ リリース 58 のデータ不具合についてのお詫び 
DDBJ リリース 58 (2004年6月30日公開) のデータに一部不具合がございましたので,下記に説明いたします。
  • データ不具合の内容:一部のデータに「BASE COUNT」行が含まれていなかった。
  • 対応: 不具合のあったデータのみ修正し,7月9日公開し直しました。
  • 修正ファイル一覧
6月30日から7月8日の間にダウンロードやデータの利用をされた方は影響を受けていますので,ご注意下さい。 ご迷惑をおかけいたしましたことを,深くお詫び申し上げます。
 ■遺伝研と富士通が次世代データベースシステムの共同研究開発 
国立遺伝学研究所(以下 遺伝研)と富士通株式会社(以下 富士通)は,次世代データベースシステムを共同で開発研究し,バイオ分野のデータベース技術における世界のデファクトスタンダード化を目指すことで合意しました。
ポストゲノム時代を迎えてデータベースそのもの,およびデータベースの開発・運用技術の重要性はますます高まっています。 DDBJ/EMBL/GenBank 国際塩基配列データベースが扱うデータ量はすでに3500万件,398億塩基に上り,2年で2倍以上の勢いで増加しています。 このような状況下で一日一万件以上のアクセスに対応するため,データベース検索の高速化が目下の大きな課題となっています。
今回共同開発するシステムは,富士通製の XML データベース検索システム「インターステージシュンサク(Interstage Shunsaku)」を基盤技術として採用し,この発表に先立って開発したプロトタイプでは,既に現行システムと比べて100倍以上の高速性を実現しています。 富士通と DDBJ は,先進情報技術を必要とするバイオ分野を大規模で複雑なデータ処理技術の格好の実践的試験の場として捉え,次世代バイオデータベースシステムを共同で研究開発していきます。
なお,このシステムのプロトタイプ版は,DDBJ を通じて,本年中に全世界に向けて一般公開する予定です。
富士通の記者発表
 ■WGS データ FTP サイトのファイル名変更 
DDBJ/EMBL/GenBank が進行中のゲノム配列を管理・収集している WGS データベースは, FTP による定期リリースおよび新着データのダウンロードサイトWGS データ で提供しています。 これまでは各プロジェクトごとに生物名を基本としたファイル名で管理していましたが,プロジェクト数の増加に伴い,生物名を基本としたファイル名では管理・特定が困難になりました。 そこで,ファイル名をアクセッション番号 prefix をベースに管理する方向に変更し,別途 対応表 を用意することにいたしました。 7月20日からこの方式で運用しています。
 ■H-Invitational データベースの更新 
CIB-DDBJ では H-Invitational で解析されたヒト完全長 cDNA データセットの機能アノテーションの成果を公開するためのデータベース H-Invitational Database CIB-DDBJ Flat File Server を公開しています。
5月31日にこのデータベースおよび ミラーリング H-InvDB (リリース番号:H-InvDB_1.3)のデータ内容を更新しました。 更新内容は次の通りです。
     
  • cDNA および LOCUS エントリの更新データは2004年5月1日現在のデータです。
  • すべての LOCUS エントリ (HIX) と一部の cDNA エントリ (HIT) のバーションが ".1" から ".2" に変わりました。  
  • H-Invitaional Identifier(e.g HIT000000001 は cDNA エントリ,HIX0000001 は LOCUS エントリ)と国際塩基配列データベースのアクセッション番号およびデータ提供機関対応表(ファイル名:acc2hinv_id.txt.gz)を FTP サイト に置きました。
 ■DDBJ スタッフコラム4 
歴史的遺産を永遠に!

阿部 貴志
国立遺伝学研究所 データベース運用開発研究室 助手

「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」
平家物語であまりにも有名な一文である。
栄枯盛衰,形あるものは壊れる…,万物は“無常”だ。 頭では理解していても,実際にその喪失を目にすると,誰しも心を痛めるのではないだろうか。 3年前,タリバン政権によるバーミヤンの石仏破壊という,センセーショナルな映像が各TV局で流された。 ただ一つの政権の目的のために,いとも簡単に歴史的遺産が破壊されていく様に,私は憤りとやるせなさで一杯になったものである。 一方で,高松塚古墳の「白虎」の壁画のように,保存・整備にかかわってきた専門家の努力が微生物や自然環境の力に対して劣勢な例もある。 (それから,スケールは小さくなるが,お馴染みの某お宝鑑定TV番組を見ていると,欠けたり,カビが生えていたりといった保存状態の悪い“名品”が出てくる。 その度に私は自分のお宝でもないのに,つい溜息をついてしまう。) これだけ科学が発達した現代でも,やはり諸行無常なのであろうか?

なんと,近年のソフト・ハード両面に見られるコンピュータ技術の発達を受けて,“歴史的遺産の電子化”が始まりつつあるという。 金閣寺のような建造物から,茶器のような小さなものまで,3次元でデータを取得してデータベースに格納し,デジタル情報として半永久的なアーカイブを作っていこうという努力である。 学問的意義の大きさはもちろんの事,これにより,後世に歴史を伝えるという我々人類の使命を,より完全な形で果たす事が出来るのである。 この有用性は計り知れない。

ここ DDBJ では,塩基配列とそのアノテーションといった生物情報をデータベース化し,管理している。 これら生物情報も立派な“歴史的遺産”となると,私は思っている。 絶滅の恐れのある生物種はいうまでもなく,研究者が苦労して開発した突然変異体は常に散逸する恐れが高い。 突然変異体の形態の3次元デジタル像をそのゲノム情報とともに保存していくことは,歴史的に大きな意義があると思う。 現在の DDBJ の情報資源は,産業上有用な微生物の探索研究や,遺伝子の発現制御研究など,科学的研究に使われる事が多いが,実は,多様な生物をミクロな視点から後世に伝えていくという悠久の夢を紡いでもいるのだ。



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Last modified: Oct. 07, 2011