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■遺伝研でも桜が咲きはじめました
DDBJ のある国立遺伝学研究所には約260種におよぶ桜があります。
DDBJ が提供する塩基配列データ登録システムの名前である
SAKURA
もこの遺伝研名物の桜にちなんで命名しました。
桜の季節に構内を
一般公開
して,日頃の研究成果を報告するとともにお花見を楽しんでいただいています。
今年の開催日は4月9日(土)となりました。
メルマガ読者の皆様で静岡県三島市近郊にお住まいの方,よろしければ足を運んでみて下さい。隔月公開の DDBJ メールマガジン第19号 web 版です。 メールマガジンに関するご質問やご意見がありましたら ddbjmag@ddbj.nig.ac.jp までどうぞ。 写真は所内の枝垂れ桜です。
タンパク質データベースである PIR は,Swiss-Prot に吸収合併されました。
さらに Swiss-Prot は,TrEMBL と統合され,2005年1月1日をもって UniProt となっております。
つまり UniProt は Swiss-Prot に由来する UniProt/Swiss-Prot,TrEMBL に由来する UniProt/TrEMBL という2つのデータベースから構成されることになります。
これまで DDBJ では PIR,Swiss-Prot を別データベースとして検索解析サービスを行って参りましたが,以上のような状況を踏まえ,2005年4月15日を持ちまして Swiss-Prot の表記を UniProt/Swiss-Prot と変更し,すでに UniProt/Swiss-Prot に含まれている PIR を削除することと致します。 また2005年6月15日には,UniProt/Swiss-Prot に UniProt/TrEMBL を加え,UniProt として利用していただくようにする予定です。 皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。 UniProt についての詳細は こちら をご覧下さい。
ClustalW は DDBJ が web サーバと e-mail サーバで提供している解析サービスです。
Web 版はバージョン番号およびオプションの異なる ClustalW (ver.1.83) と ClustalW DDBJ 拡張版 (ver.1.80) の2種類を提供していましたが,本日このサービスを統合しました。
統合後は ClustalW DDBJ 拡張版だけにあったオプション(DOTSINOUTPUT と DISTANCE)をより新しいバージョンでご利用いただくことができます。 この統合にともない,ユーザインタフェイスの一部を変更し,URL も現在 ClustalW が使用しているものに統一いたしましたのでご注意下さい。
Vector Screening System は,DDBJ の塩基配列登録システム SAKURA で登録に先立ってベクタースクリーニングを行うために,ご提供してきたサービスです。
登録前にベクター配列を検索,削除することにより,データの信頼性が確保されるだけでなく,利用者の利便性も向上するため,ご利用をお薦めしています。
これまでは SAKURA を利用した塩基配列登録の付加的サービスとして,ご提供しておりましたが,より広く一般利用者向けのサービスとしてご利用いただけるように,本日より以下のように URL を変更いたしますので,リンクを設定されている方は修正をお願いします。 旧 URL は4月28日まで利用可能です。 今回の URL に伴い,本システムのサーバが使用する port 番号も現行の8080番から標準ポート80番へ変更されます。 この変更により port 番号の設定が原因で Vector Screening System にアクセスできないという状況は解決されます。 サービス内容に変更はありません。 利用者の皆様には大変お手数をおかけしますが,ご理解とご協力をお願いします。
進化的に広く保存され,動物において初期発生に重要な働きを担う T-box 転写因子 Brachyury の下流遺伝子を明らかにするために京都大学大学院理学研究科の分子・ 進化発生研究室(佐藤矩行教授)と国立遺伝学研究所の遺伝情報分析研究室(五條堀孝教授)はホヤ Brachyury 下流遺伝子データベース
NotoBase
を構築しました。
このデータベースはこれまでにサブトラクション法によって単離されてきた約500のホヤ Brachyury 下流遺伝子に対するアノテーション情報を付与し公開しています。 EST 配列情報の参照だけでなく3000枚以上に及ぶ遺伝子発現パターン画像や外部データベース(ホヤ cDNAプ ロジェクト,ホヤゲノムプロジェクト)とのリンクによって対応する遺伝子の cDNA 全長配列あるいは予測配列,他の生物における類似遺伝子の参照が可能であり,種々の検索(Brachyury 下流遺伝子配列データに対する BLAST によるホモロジー検索や発現組織別の遺伝子検索,ホモロジー検索結果に対するキーワード検索)もサポートしています。 さらに Download サイトからは得られたホヤ Brachyury 下流遺伝子配列も取得することができます。
GIB (Genome Information Broker)
は WWW でゲノム情報を提供するサービスで,真正細菌・古細菌・真核生物のゲノムデータを提供しています。
2月から3月にかけて公開された以下8生物種のゲノムデータを GIB に取込みました。
4月1日現在で,GIB には真核生物 6・バクテリア 205・古細菌 21,計232種類のゲノムデータが格納されています。
DDBJ では全国各地で「DDBJing 講習会」を開催しています。
DDBJing 講習会は,塩基配列の登録方法や DDBJ が提供しているデータベース検索・解析サービスをユーザの方々により深く理解して利用していただく助けになることを目指しています。
6月8・9日に DDBJ のある静岡県三島市・国立遺伝学研究所での開催が決定しました。 初心者向けの内容で,2日間にわたりデータ登録と検索解析サービスの利用方法に関する講習会を以下の内容で行ないます。 申し込みは4月12日から開始する予定です。 詳細は DDBJing 講習会サイト をご覧下さい。 皆様のご参加をお待ちしています!
3月2日に大阪大学中之島センターで「
第11回 DDBJing & PDBjing 講習会 in 大阪
」を開催しました(右の写真はこの時の様子です)。
従来の DNA データ登録などの講習に加え,大阪大学蛋白質研究所からも講師をむかえ,PDBj(日本蛋白質構造データバンク)や蛋白質の立体構造についても講議を行ない,23名の方が参加して下さいました。
講議で使用した資料は,近日中に講習会サイトからダウンロードが可能になりますので,どうぞご利用下さい。
3月7日から10日まで韓国太田市にある韓国生命工学研究院で 第4回日韓バイオインフォマティクス・トレーニングコース を開催しました。 日韓中の若手研究者30名(日本から12名・韓国から15名・中国から3名)が4日間にわたり講議および実習を受けました。 第5回は2005年度中に日本で開催する予定です。 詳細が決まりましたら,ホームページとこのメールマガジンでご案内いたします。 興味をお持ちの方はどうぞご参加下さい。
4月19日から21日にかけて京都で開催される
HGM2005
に,DDBJ も参加します。
ゲノム関連のサービス紹介をはじめとする展示を行なう予定です。
会場に行かれる方は,63番ブースにもどうぞお立ち寄り下さい。
DDBJ が WWW と E-mail で提供している相同性検索サービス
S&W SEARCH
は,ハードウェア製造社の解散に伴い,2005/4/1以降,サービスに支障をきたすようなハードウェア障害が発生した時点で,終了させて頂きます。
なお,S&W SEARCH と同様なアルゴリズムを用いた検索サービスとして, SSEARCH が引き続き利用可能です。 皆様にはご不便をお掛けすることになり誠に申し訳ございませんが何卒ご理解とご協力の程よろしくお願い申し上げます。
2005年1月1日から Swiss-Prot が正式に UniProt になりました。
これに伴い,UniProt のリリースの ftp site 名が Swiss-Prot から UniProt に変わったのですが,私ども DDBJ はそのことに気づくのが遅れまして,2月2日の UniProt からのリリースの ftp に不具合をもたらしてしまいました。
つまり,その時点での UniProt からの ftp にはリリース分が入っておらず,更新分のみとなってしまいました。
従いまして,2月2日から2月25日までの間に DDBJ がサービスしている UniProt データベースを検索された方は,不具合のある検索結果を得られたと考えられます。
このような不具合をもたらしまして,大変申し訳ありません。
現在は UniProt のリリースにも更新分にも不具合はございません。 今後とも DDBJ を宜しくご支援くださるようお願いいたします。
遺伝情報について考える
西川 建 今や生物学はゲノムの時代を迎え,DNA,遺伝子,遺伝情報といった用語はマスコミなどでもさかんに使われるようになった。 この中で遺伝情報という言葉に注目すると,「遺伝」はもちろん本来の生物学用語だが,「情報」という概念はかなり新しい。 ワトソン&クリックの DNA 二重らせんの発見によって始まった分子生物学の登場以降のことである。 しかし,分子生物学においても最初のうちは遺伝暗号(genetic code)という表現が好まれ,遺伝情報(genetic information)の方はかなり抵抗感があったようである。 DNA の複製に始まり,転写,翻訳過程の大筋が次々と解明されていったのは,第2次世界大戦が終ってまだ10年余りという時代で,戦時用語としての暗号,暗号化(encode),暗号解読(decode)といった言葉の方に,より馴じみ深かったからかも知れない。 片や情報という言葉は,コンピュータの発展とともに社会に浸透するようになり,インターネットの普及とともに情報化社会に突入し,IT に代表されるようにインフォメーション(情報)はコンピュータの代名詞になってしまった。 奇しくも,コンピュータも戦時技術として,最初の真空管式計算機が発明され(齋藤成也氏の稿を参照),戦後になって半導体式計算機が登場し,今日の IC チップ集積型コンピュータへと発展してきた。 それとともに,情報処理,情報(データ)の伝達・転送,記憶媒体へのデータ格納などのコンピュータ用語が一般化し,「情報」は現代的な言葉として通用するようになった。 このような時代の趨勢を背景にして,生物学においても「遺伝情報」という用語が容認され,定着するようになったと考えられる。 ここで1つ言えることは,上記のような現代的な意味での「情報」はたかだか20世紀後半に現われた比較的新しい概念だということである。 もちろん日常語としての情報という言葉はそれ以前からあった。 たとえば,英語の information は旅行者にはお馴染みの「案内」や「受付」として使われる。 しかし,現代用語としての「情報」という概念はなかった。 その点を確かめるために,ジョージ・オーウエルの小説「1984年」を調べてみたことがある。 この小説は1948年に書かれおり,よく知られているように,当時はまだ「未来」であった1984年の様子を予想して描いた近未来小説である。 84年と48年の関係は一種のシャレだと思えばよいが,私にとって都合がよかったのは,この2つの年の関係が,20世紀前半(の最後)という時点から20世紀後半を予想した関係になっていた点である。 この小説では,ビッグブラザーと呼ばれる独裁者に支配される近未来社会が描かれている。 おもしろいことに,当時予見されたあらゆるハイテク監視装置を使って人民を統制する様子が書かれているにもかかわらず,案のじょう情報という言葉はまったく出てこない。 したがって,20世紀前半には情報という概念はなかったと言えるのである。 ところで,コンピュータの情報と生物における情報を比較してみると,両者で大きく異なる点がある。 コンピュータは大量の情報を処理し,記憶することができるが,入力情報(データ)を与え,出力情報を見て判断するのは,あくまでも我々人間である。 そもそもコンピュータをつくったのも人間だから,コンピュータに基づく情報が「情報というもの」であり,情報の典型だと思ってしまえば,情報とはしょせん人間のつくるものであり,人間を離れて情報は成立しないことになる。 世間では何となくそう思っている人が多いのではないだろうか。 しかし,分子生物学は生命現象の基底部に,人間の手を離れて成立する情報形態が存在することを明らかにした。 この点の重要性は,すでに20年余り前に渡辺慧によって次のように指摘されている。
人間に先立って自然のうちに成立する情報が存在することを示した点で,遺伝情報の発見の意味は大きい。 上の引用で言われているように,情報は物質やエネルギーに還元することができない。 たとえば,情報はコピーされて,いくらでも自分と同じものを生みだすことができるが,物質やエネルギーにはそのような性質はない。 これまでの自然科学では,物質とエネルギーは自然を構成する要素だとされてきたが,それに加えて情報も基本的な要素の1つだとせねばならないことになる。 しかし,自然の中にあるといっても,情報はつねに生命と結びついており,生命現象と切り離しては存在できない,と言えそうである。 その意味で,非生命世界を対象としてきた物理学が物質とエネルギーを自然界の基本要素と見なしたのは妥当であり,物理学が化学をその支配下におくのに成功したにもかかわらず,なぜ生物学を取り込むことには失敗したのか,という理由も理解できる。 物理学が情報を自然界の基本要素の1つとして定式化できないかぎり,「生命の物理」(真の意味での生物物理学)は成立しないのである。 生命における情報は遺伝情報だけに限らない。 外界からの刺激を受容体でキャッチし,細胞内のシグナル伝達因子(タンパク質)を経て,遺伝子の発現を制御するシグナル伝達系も情報処理の一例であるし,動物の内分泌系(ホルモン)や免疫系も情報伝達や処理に関わるシステムである。 しかし,これらは遺伝子や遺伝情報から派生した二次的情報形態だと捉えることができる。 その意味で,遺伝情報は基本情報形態だと呼ぶことにしたい。 それでは,遺伝情報に匹敵するような基本情報形態は他にないだろうか。 私は脳神経系の情報と人間の言語も,遺伝情報とは異なる基本情報形態だと見なしてよいと考える。 たとえば,遺伝情報は生体高分子(核酸やタンパク質)を基盤とする情報だとすれば,脳神経情報は神経細胞(ニューロン)を基盤として,ニューロンの発する電気的インパルスをオン・オフ信号として用いるという点で,原理的に見ても遺伝情報とは異なる情報形態である。 さらに,人間の言語は脳を基盤とし,音声を信号として用いるという点で,前二者とはまったく異なる原理に基づいている。 言語は人間が創作したものではなく,生得的なもの(自然言語)とする見方はチョムスキーを引き合いに出すまでもなく,いまや常識であろう。 その意味で,言語も人間に先立つ情報形態としてよい。 人間は言葉を使うことによってあらゆる社会活動を行ない,文化を生み出してきた。 その中には科学も含まれるし,さらにはコンピュータも含まれる。 コンピュータによる情報処理がいくら華々しく見えても,あくまでも言語という基本情報形態から派生した二次的な情報形態にすぎないのである。 最初に述べたように,遺伝情報という概念は,歴史的にみるとコンピュータにおける情報との類似性から生物学に持ち込まれたと考えられる。 もしもコンピュータの発明が前世紀の半ばではなく,もっとずっと遅れていたなら,分子生物学において遺伝情報という概念が生まれたかどうか,非常に疑わしい。 言いかえると,歴史的偶然によって分子生物学は遺伝情報を「発見」したことになる。 だが,歴史的由来はともかく,ひとたび情報という要素を生命現象の中に認める立場に立ってみると,それまでの物質代謝・エネルギー代謝からなる生命という見方に加えて,情報によって規定される生命という側面が浮び上がってくる。 ゲノムとは生物個体のもつ遺伝情報の総体を指すが,ゲノムなくして細胞の活動はありえない。 同様に,脳神経系がなければ動物は成り立たないし,言語なくして類人猿から人間にはなりえなかったはずである。 このように,情報は生命体が生みだし,生命体に属するものに違いないが,逆に情報が生命体を規定し,成り立たせている関係にあることも忘れてはならない。
以上のように,情報という概念はまだ比較的新しく,十分練りあげられた概念とは思えない。
たとえば,物理学の対象である物質・エネルギーと情報はどういう関係に立つのか。
あるいは,人間の意識や精神,心とどういう関係にあるのか,といった問題である。
このような問題は,コンピュータの情報をいくら調べても答えは出てこないだろう。
基本情報形態である遺伝情報,脳神経情報,言語を相互に比較・検討することにより,情報の特性,物質・エネルギーや精神との関係性などが明らかになるのではないかと考える。 ddbjmag@ddbj.nig.ac.jp
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Last modified: Oct. 07, 2011
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