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■風樹の嘆(ふうじゅのたん)のみならず
DDBJ では,塩基配列の登録や DDBJ が提供しているデータベース検索・解析サービスをユーザの方々により有効に利用していただくために,全国各地で「DDBJing 講習会」を開催しています。 講習会では,DDBJ のスタッフが中心となっておこなう講議や実習を通して,サービスについての理解を深め,具体的な使い方を学んでいただいています。
2006年12月21-22日に東京工業大学大岡山キャンパス情報ネットワーク演習棟での講習会の開催が決定しましたのでご案内します。 今回は本年2月に開催された講習会と同じく,PDBj(日本蛋白質構造データバンク)との共同開催で,DDBJ ならびに PDBj が提供しているアミノ酸・タンパク質に関するサービスの利用法についての実習と,タンパク質ならびにゲノム研究に関する講議を行ないます。 PC を用いた実習の時間を多く設け,より実践的な知識を身に付けていただける講議内容を予定していますので是非ご参加下さい。 現在参加申し込み受け付け中です。 詳細は DDBJing 講習会のページをご覧下さい。 皆様のご参加をお待ちしています!
DDBJ が登録を受付け,10月から11月にかけて DDBJ/EMBL/GenBank 国際塩基配列データベースから公開した大量データは以下の通りです。
国立遺伝学研究所は,2007年3月にスーパーコンピュータシステムの更新(リプレース)を行います。
DDBJが設置された(1986年)当初からデータベースは年々増大していますが,1990年代後半からは特にゲノム配列決定の加速により急速に増加し,2000年以降は毎年ほぼ1.5倍の割合で拡大し,2006年9月のリリース67においては,6100万件650億塩基対の規模を超えるまでになりました。 さらに,配列決定技術の高速化と費用低下による配列決定が普及し,加えて,マイクロアレーや DNA チップ技術などの新技術によるポストゲノム解析による爆発的データ発生,生体高分子の立体構造データの急増,データ蓄積に誘導される生命現象のモデル構築と生体反応のシミュレーションへの展開によって,生命科学におけるデータの生産と利用が多様化し拡大する傾向が顕著になってきています。 現行のスーパーコンピュータシステムは6年前に導入されたシステムであり,当時最新の高性能機器で構成されたシステムでしたが,先に述べたような生命科学研究の急速な進展に対して,処理性能,データ容量,さらに今後の多様な解析ニーズに応えることが困難となってきました。 これらの状況を鑑み,更新予定の新スーパーコンピューターシステムでは,
新スーパーコンピュータシステムは,各種サーバ(データベース構築サーバ,データ検索サーバ,展開業務系サーバ等),大容量外部記憶装置,大容量バックアップ装置を含む種々の周辺装置と,高速ネットワークシステム,及び,負荷分散装置等から構成され,大規模,超高速かつ多様な分散情報処理機能,ならびに,安定した検索・解析サービスの提供を行うための環境を整備します。 特に,データベース構築サーバ,データ検索サーバ,大規模解析サーバ等には,大規模 UNIX サーバーに加えて,PC クラスターなど並列コンピュータ環境を組み合わせることにより,データ量及び解析要求の増大や高度化に対応する拡張性,費用対効果の向上を実現します。 新スーパーコンピュータシステムへの更新(リプレース)にあたっては,システム及びデータの移行や切換えのため,2007年1月から3月頃に,サービスの中断,終了,URLの変更など,利用者の皆様にご不便をお掛けすることもありますので,あらかじめご了解いただきますようお願いいたします。詳細につきましては,決定次第,下記 DDBJのホームページなどでお知らせいたします。
■Oryzias latipes(メダカ) の WGS データ由来 ultra-contig および chromosome エントリの一部において CONTIG 行内の値が不正であった点に関するお詫び
以下に示した Oryzias latipes (メダカ) WGS 由来の ultra-contig エントリおよび chromosome エントリにおいて,CONTIG 行に記載された各ピースエントリが引用する配列長の数値が不正になっておりました。
ご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
DDBJ では,国際塩基配列データベースの構築業務を 2006年12月29日(金)から2007年1月3日(水)まで休業いたします。
これにともない,SAKURA によるデータ受け付けは2006年12月27日(水)から2007年1月4日(木)までご利用いただけません。 エントリの新規および再公開も,2006年12月27日から2007年1月4日まで行なわれません。 ご不便をおかけいたしますが,皆様のご理解・ご協力をお願い申し上げます。
「伝達は終わらない」
大城戸利久(DDBJアノテータ) DDBJ でアノテータをしております小生が今回のコラムを担当いたします。ご承知のとおり,DDBJ は国際塩基配列データベース(INSD; 欧州の EMBL,および米国の GenBank)の一員として活動しており,この国際塩基配列データベース共同体(INSDC)の活動が開始されてから,今年で20年の歳月が流れました。アノテータの業務は基本的に登録者から送られてくる塩基配列データを INSDC によって規定されたルールに基づいて査定し,アクセッション番号を通知することになります。その他にもプロジェクトへの協力や学会への参加など,色々とありますが,ここでは割愛します。さて,先日,東京で開催された“ゲノムひろば2006”に出典者側として参加し,DDBJ の活動とサービスおよび,微生物の多様性と遺伝子・ゲノムに関する内容を紹介する機会を得ました。“ゲノムひろば“は高度で専門的なゲノム研究領域の成果を,普段,専門分野に接することがない方々も含めて多数の皆さんに紹介し,触れていただく機会となります。”ゲノムひろば“の会場には,学術研究の世界とは距離があるもののこの分野に興味を持っていただいている方,大学生,さらには高校生など,多数の参加者が訪れていました。平素,DDBJ の業務で私たちアノテータが接する登録者や利用者は主に生物学に関連した研究を職業にしている方や学生の方々が多く,生物学(特に分子生物学)への理解が高い方々と接する機会が多いことから,”ゲノムひろば”で多数,お見受けした一般の方々と接する機会は限定的になります。 展示ポスターでは,DDBJ のサービスの他に,色々な微生物の形態や特異な働きの紹介,細胞内の配置のイメージおよび環状DNAの写真の掲載し,さらに塩基配列の並びの表示および,ゲノム内で遺伝子としてコードされている領域とそうでない領域との存在などを話しました。“ゲノムひろば”で何人かの方々とお話をさせていただきましたが,その中で,気になった点として,「DNA,遺伝子,ゲノムの関係がわかりにくい」というものでした。ある高校の生物の先生曰く,「大学の入学試験に出る事柄でもあるので,生徒に教えなくてはいけないが,教えるのに苦労されている」とのことでした。“ゲノムひろば”に参加して,教科書的な知識と実状との間に乖離が大きいことを感じました。 少し話しは変わりますが,以前,知人から聞いた話なのですが,大学のオープンキャンパスなどで,来訪者の方々に「DNA を見せます」といったデモをしたときのことです。DNA 溶液が入っているチューブの中にエタノールを加えて,沈殿してきた白い糸状の DNA(恐らくゲノム DNA と思われますが)を見せた時に,それを見た参加者から“DNA って,二重らせんのはしごの形をしていないのですね“,と言われたそうで,苦笑したとのことでした。卒論や学位のテーマで研究を行っている方々でも始めて,ゲノム DNA を抽出した時に同様な経験されているかもしれません。 大学や大学院などでの教育・研究活動では,科学的検証の蓄積や論文を含めた資料の調査,さらに思考を行う作業が繰り返されており,いわば「知識の生産」が絶えず行われています。この生産された知識は多くの人々に共有されるとともに,次世代へ伝達されていくことが必要であると考えます。 INSDC が扱う塩基配列は生物が生存するための遺伝情報を保持する役割を持たされており,有性生殖であれ,分裂や出芽といったような無性生殖であれ,遺伝情報の担い手である DNA(一部は RNA)が親から子孫に引き継がれています。さらにこの遺伝情報は多細胞生物であれば,全ての細胞に分配されており,共有されています。塩基配列は“A(アデニン)”,“C(シトシン)”,“G(グアニン)”,“T(チミン)”が基本となって表現されていますが,一見するとこれは単なる文字列でしかありません。しかも塩基配列はウイルス,原核生物から高等真核生物まで共通の文字列として表現されているので,その裏に存在するはずの情報,由来生物は何か,転写された配列なのかゲノム由来なのか,どんな産物であるのかなどを正確に記述しなければ,殆んど意味不明な何十万,何百万という文字列の集まりでしかないのです。塩基配列データベースの中では塩基配列エントリに生物学的な意味を付与していく作業を行っています。生物学的知見といっても,普遍的部分と見解が定まっていない部分,新たに加えられる部分と様々な状態の箇所が混在しています。従って,可能な限り正確な情報を付与していくために記述ルールを見直しと,それに伴った修正作業が INSDC で絶えず行われており,これは今後も続いていきます。 学術研究・技術開発・教育と密接に関係している INSDC は塩基配列情報のアーカイブスを保存し,利用できる場所です。 欧米を舞台にした外国人作家のミステリー小説を読んでいると,謎解きのために教会の図書館や書庫に保存されている資料(冊子体)を閲覧する場面が登場します。冊子体は劣化が起こるので,温度や湿度,日光への暴露などを十分に注意して管理を行うことが求められるので,不特定多数の方が容易に利用できる状況となっていないケースもあり,場合によっては貴重な(特殊な)資料となりがちです。昨今は電子化によるデータの保存とデータベースの急速な普及が相まって,データの検索や閲覧に対する労力が減っています。 INSDC のデータは電子化されているので,web ブラウザやネットワークを介したプロトコールによって,不特定多数の人々が容易に入手できるような仕組みが構築されています。 利用したい時に直ぐに利用できることが当たり前であることを求める,あるいは求められることは知識や経験の共有と伝達が継続的に行われるためにも,健全な状況であると感じます。遺伝情報を伝えてきたという,生物の営みが我々の思考に影響があるのとすれば,次世代への知識(技術も含めて)の継承と伝達(教えたい,伝えたいなども)は本能的な欲求であると考えても突飛ではなさそうです。 ddbjmag@ddbj.nig.ac.jp
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Last modified: Oct. 07, 2011
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