Organism qualifier に記載する生物名

organism qualifier には「生物名」として、taxonomy database において、種、もしくは、それ以下のランクで "scientific name" とされている名称を記載する必要があります。

 

taxonomy database

DDBJ/EMBL-Bank/GenBank では、生物名 (/organism qualifier の値) を共同で構築している taxonomy database で管理しています。
塩基配列データベース構築には由来生物名の管理は必須であり、生物名の表記を統一する必要があります。

そのため、生物名の参照先として この taxonomy database を使用しております。

Taxonomy database は、生物名の表記を統一することに主眼をおいて構築されており、生物種の命名、および、分類学上の権威となるものではありません。
採用されている生物名とその lineage は、登録者の分類学的な主張、および、分類学的に普及している内容とは異なる場合があります。
詳細に関しましては、taxonomy database の説明をご一読ください。

DDBJでは、taxonomy database を検索するためのシステム TXSearch を公開しております。塩基配列データベースにデータを登録する際、生物分類名を確認するためなどにご利用ください。
ただし、既に登録されている「生物名」でも、配列データが公開されていない段階では taxonomy database においても検索できません。
注) 塩基配列登録システムからの登録の際は、生物名入力におけるカテゴリー (Category) を "Not found in taxonomy databas, but already registered in other sequence data" とすることにより、このケースに該当することを示してください。

塩基配列の登録、taxonomy database 検索の際は、「生物名」にスペルミスがないように、十分、ご確認ください。

 

生物名記載の概要

「生物名」は、通常、種の学名ですが、種が同定されていない場合(人工的に構築した配列なども含む)、仮称を用いることもあります。

このため、無理に既存の生物名を選択しないでください。既存の生物名を選択して良いケースは、あくまで、配列の由来となる「生物名」の同定に問題がない状態であり、かつ、その「生物名」が taxonomy database に登録済である場合です。

  • 未同定種・未記載種は新規に仮称を追加いたします。
  • マーカー遺伝子の塩基配列の類似度は、分類の絶対的指標では ありません。
  • 配列が同一であること と サンプルが同種に由来すること は別の事象です。

taxonomy database に登録されていない「生物名」の場合は、塩基配列の登録の際に、その由来生物名を DDBJ から taxonomy database に登録申請いたします。
このときtaxonomy database に登録された「生物名」は塩基配列が公開された際に、公開されます。
DDBJ から当該塩基配列データが公開されるまでは、taxonomy database においても、「生物名」は公開されません。
また、taxonomy database に登録された生物名であっても、必要であれば、いつでも生物名の更新をご依頼ください。
更新依頼は、登録データの修正・更新をご参照ください。

原則として、「生物名」には、taxonomy database における "scientific name" 以外は、記載できませんが、taxonomy database における synonym あるいは lineage などの扱いに疑問がある場合は、典拠となる論文などを示していただくことにより、taxonomy database の修正を管理者に依頼し検討することができます。
ただし、lineage 解釈などの問題は諸説の1つを採用する方針であり、これに関しましては、ご希望に添えないこともあり得ます。
Taxonomy database の間違いなどを発見された場合は、ご連絡ください。学名のスペルミスなどに関しましては修正します。

 

生物名記載の各論

一部、特殊な例外もありますが、DDBJ への登録の際における「生物名」記載についての考え方を以下に挙げています。
塩基配列データの登録に際して taxonomy database への登録申請が必要な際は、各参考情報もお知らせください。

 

1. 種が同定されている場合

「生物名」の登録は属・種の名称を用いた二名法による種の学名 (以下、種名)を原則としております。
種名は、動物、植物、細菌の各国際命名規約に従って記載されるべきです。

Homo sapiens

 

三名法で種名を記載する必要がある場合は、亜種 subspecies、変種 variety なども生物名に加えます。

Pan troglodytes troglodytes
Zea mays subsp. mays
Brassica oleracea var. alboglabra

また、このとき sub_species, variety の該当 qualifier をあわせて source feature に記載します。

                     /organism="Pan troglodytes troglodytes"
                     /sub_species="troglodytes"

 

以前は 微生物などで完全長ゲノム配列を登録する場合、種の学名に加えて strain などの名称を organism に含めて記載していましたが、現在は学名のみの記載を原則としています。strain 名は strain qualifier に記載してください。

                     /organism="Candida albicans"
                     /strain="WO-1"

 

ウイルスの場合は二名法ではありませんが、The International Committee on Taxonomy of Viruses に従った種名を基本としています。
ただし、登録頻度の高い病原性ウイルスなどでは strain、serotype/genotype、collection_date (採取した年月日)、country (採取した地名)、host などを生物名に含めた記載が必要になります。

Influenza A virus (A/chicken/Tokyo/2007(H7N7))

その場合、collection_datecountryhoststrainserotype などの該当 qualifier をあわせて source feature に記載します。

                     /country="Japan:Tokyo"
                     /collection_date="2007-11-01"
                     /host="Gallus gallus"
                     /mol_type="viral cRNA"
                     /organism="Influenza A virus (A/chicken/Tokyo/2007(H7N7))"
                     /serotype="H7N7"
                     /strain="A/chicken/Tokyo/2007"

 

雑種の場合、適宜、以下のように記載します。

Rosa alba x Rosa corymbifera
Malus x domestica
Lilium hybrid division I

 

taxonomy database (TXSearch) から検索不能な場合、登録時に以下の参考情報を可能な範囲でお知らせください。

taxonomy database 登録申請のための参考情報
推定可能な範囲の lineage
種を記載した論文
以前に登録した配列のアクセッション番号
サンプル、または、配列を得た方法の概略

 

2. 種が同定されていない、または、新種提唱の場合

種同定を伴わない研究、あるいは、分類途上などのため種名が未確定の場合、「生物名」の一意性を保つために、判明している範囲の lineage、多くの場合、属名を用いて、"<属名> sp."などとした上で、その下位の rank (strainisolate, clone, etc) を並記します。
これは名称を一意に保つことを目的としています。この運用により、例えば、異なる生物が同じものと混同されるなどの混乱を避けることができます。
なお、一時的に taxonomy database に登録された生物名であっても、正しい学名がわかり次第いつでも生物名を変更することができます。

書式
"<genus name> sp. <strain name>"
"<family (or upper) name> <strain name>"
  • Acetobacter sp. ITDI2.1

登録の際には、「生物名」に含めた下位の rank、strainなどに該当する qualifier をあわせて source feature に記載します。

                     /organism="Acetobacter sp. ITDI2.1"
                     /strain="ITDI2.1"

taxonomy database (TXSearch) から検索不能な場合、登録時に以下の参考情報を可能な範囲でお知らせください。

taxonomy database 登録申請のための参考情報
推定可能な範囲の lineage
提唱中の新種学名
以前に登録した配列のアクセッション番号
サンプル、または、配列を得た方法の概略

 

3. 環境サンプル

環境サンプル (environmental sample) とは、PCR、DGGE、あるいは、その他の方法で直接、分子を単離した環境上のサンプルに由来する配列です。
よく混同されますが、環境サンプルとは「野生型」という意味ではありません。
環境サンプルの定義については環境サンプルの説明もご参照ください。
環境サンプル由来の混合培養系も、環境サンプルと扱います。

環境サンプルの場合、原則、判明している範囲での lineage に "uncultured" を冠して「生物名」を記載します。

書式
"uncultured <genus name> sp."
"uncultured <family (or upper) name>" or "uncultured <family (or upper) name> bacterium"
uncultured Acetobacter sp.
uncultured alpha proteobacterium
uncultured Bacillaceae bacterium

環境サンプルの場合、必須なenvironmental_sample qualifier、および、isolation_source qualifier などでサンプリングの過程・状態などをあわせて source feature に記載します。

                     /clone="4-11"
                     /environmental_sample
                     /isolation_source="PCR-derived sequence from sediment"
                     /mol_type="genomic DNA"
                     /organism="uncultured Acetobacter sp."

taxonomy database (TXSearch) から検索不能な場合、登録時に以下の参考情報を可能な範囲でお知らせください。

taxonomy database 登録申請のための参考情報
推定可能な範囲の lineage
サンプル、または、配列を得た方法の概略

 

4. 人工的に構築した配列

"synthetic construct"、または、"eukaryotic synthetic construct" とのみ一律に記載する場合と vector などの名称を以下のように そのまま記載する場合があります。

Cloning vector pAP3neo
Expression vector pAMP

taxonomy database (TXSearch) から検索不能な場合、登録時に以下の参考情報を可能な範囲でお知らせください。

taxonomy database 登録申請のための参考情報
想定される用法など

 

taxonomy database 登録申請のための参考情報

配列データ登録の際に、その由来となる「生物名」が taxonomy database の存在していない場合、DDBJ を通じて taxonomy database に登録します。

 

推定可能な範囲の lineage

推定可能な範囲での taxonomic lineage をお知らせください。

 

種を記載した論文

すでに種名が発表されている場合、記載文献を英語でお知らせください。

 

提唱中の新種学名

提唱する新種の名称に関しては、別途、taxonomy database でも管理しますので、お知らせください。
提唱する新種の名称が文献に公表された際、あるいは、名称が変更になった場合、DDBJ アップデート係までご連絡ください。

 

以前に登録した配列のアクセッション番号

由来生物名が同一である塩基配列データを DDBJ/EMBL/GenBank に登録済みでしたら、アクセッション番号とともに、その旨をお知らせください。

 

サンプル、または、配列を得た方法の概略

サンプリング、配列決定などの実験過程など、簡潔な英文にてお知らせください。

 

想定される用法など

主として人工的に構築した配列の場合、利用方法などをお知らせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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