第15回 INSDC meeting report 2002年5月20-22日 静岡県三島市
2002
第15回 INSDC meeting report 2002年5月20-22日 静岡県三島市
この会議は5月20日から22日に開催され, DDBJ, EMBL, GenBank の活動の年次報告が行なわれた後、国際塩基配列データベース運用上の実務的な問題を検討しました。 会議で決定した主な事項は次の通りです。
動向
塩基配列の公開について, 一度公開したアクセッション番号は,
未来永劫取り消さないという原則を再確認しました。
これまで DDBJ では, 公開取り消しの依頼を受けた場合には, DDBJ
サイト内のあらゆる検索系から閲覧ができないようにしていましたが,
これを受けて, 定期リリースと通常検索サービスからは削除されますが,
getentry
を利用してアクセッション番号を用いた検索をした場合には,
閲覧が可能な状態になります。
ただし DDBJ/EMBL-Bank/GenBank が作業ミスにより誤って公開した場合は,
その限りではありません。
詳細は 登録データの取り扱いについて をご覧下さい。
現在, 塩基配列の長さは1エントリを350kb 以下にする規則ですが,
近年の登録内容の変化に対応するため,
2年後を目処にこの制限を撤廃する方針で合意しました。
ただし, この猶予期間に関連ソフト会社などと意見交換行ない,
これを参考の上, 制限撤廃か否かを最終的に決定します。
Whole Genome Shotgun (WGS)
の登録受付基準と公開方針に関する意見交換と確認,
その公開フラットファイルのフォーマットについての検討がなされました。
また, 通常よりデータサイズが大きいため, 当面,
定期リリースなどには含めない方針です。
Third Party Annotation (TPA) の登録受付基準と公開方針に関する意見交換と確認, その公開フラットファイルのフォーマットについての検討がなされました。
Feature/Qualifier に関する決定
これまで実質的には DDBJ のみが source
feature の /sequenced_mol qualifier
を用いて塩基配列の分子タイプを分類していましたが, EMBL/GenBankも,
これに倣う方向で分子タイプを分類することになりました。
また, より適切に分類するために
/mol_type qualifier
に移行していく予定です。
source feature の /variety qualifier は本来, 変種を示すために用い, ラテン名で記述しますが, value が不適切なエントリが多数存在していますので, 修正していく予定です。
source feature にウイルスのゲノム構造を示すための /segment qualifier を追加します。
これまで misc_recomb feature に /organism qualifier を必須にしてきましたが, 今後は, これを必須とはしないことになりました。
特定ゲノムプロジェクト用に CDS feature 継承用の ID 情報を記述するために /locus_tag qualifier を追加します。
その他
Feature, 特に CDS の根拠が実験的であるか, 配列解析によるか, を示すことが利用者から求められており, これに関して, /evidence qualifier の規定値の追加, 再分類と再定義の検討を進めていく予定です。
近年, microRNAs と総称される RNA 転写産物に関する報告が増加しており, 生物学的に重要と思われますので, 新しい Feature key となり得る対象をリストアップし, 定義を検討することになりました。