内閣総理大臣の談話
原文 / English
ヒトゲノムの解読の完了について
DNAの二重らせん構造発見から50年、その記念すべき本年、人類の長年にわた る願いであったヒトゲノムの精密な解読が、国際的な科学協力の成果として完了した のは大変すばらしいことです。これは生命科学分野における夢の実現への一里塚です。この解読にかかわった六カ国の多数の研究者が互いに協力し、不屈のご努力でこの 偉業を成し遂げられたことを讃え、心から敬意を表します。特に日本の研究者が、壮 大なプロジェクトであるこの国際ヒトゲノム計画に当初から積極的に参加し、大きな 貢献をしたことを大変誇りに思います。解読されたヒトゲノムの情報は、ヒトの進化や生命の仕組みを解明するための有力 な手段であり、これまで治療法が未解明であった病気の治療や予防のための技術開発 などの飛躍的な進展の基礎となるものです。今後はこれらの成果をもとに、全生命シ ステムの解明に向けた取組みや、ゲノム情報を戦略的に活用した研究開発が一層進展 することを確信いたします。我が国が将来、豊かで活力のある長寿社会を築くことができるよう、また人類の福 祉と経済社会の発展に更に大きく貢献できるよう、文部科学省としてもこの分野の研 究内容の発展に最大限の努力を行ってまいります。平成15年4月14日文部科学大臣遠山 敦子
歴史的経緯
1986 ヒトゲノム計画の提言1989 ヒトゲノム国際機構(HUGO)の設立1991 国際ヒトゲノム計画開始1996 バーミューダ会議      ヒトゲノム配列決定コンソーシウム結成2000 ヒトゲノム概要配列決定2001 同上論文発表(Nature 2001//02/14号2003 ヒトゲノム精密配列決定
概要配列と精密配列の比較
時期 2001.2 2003.4
決定塩基数 27億2000万 28億3000万
割合 95% 99%
解析手法 階層的ショットガン 階層的ショットガン+プライマーウオークなど
クローンのギャップ 約6100 約180
d配列ギャップ 約1500000 約500
データ精度 99.9~99.99% 99.99%
予測遺伝子数 3万~4万 約32000(*)
(*)EBIのENSEMBLの予測値ならびに、東京大学医科学研究所と理化学研究所の DIGITの予測値
International Consortium Completes Human Genome Project
(6カ国首脳談話)Joint Proclamation by the Heads of Government of Six countries Regarding the Completion of the Human Genome Sequence (EnglishJapanese)(以上最終更新日:2003年5月7日)
配列を見る
===DDBJから===DDBJでは,「DDBJ/CIB ヒトゲノム情報工房」のページを設けています。このプロジェクトは2000年4月にスタートし, 2001年2月の概要配列の発表を経てこれまでにDDBJ/EMBL/GenBankの国際DNAデータベースに登録・公開された ゲノム配列を基に作成されたものであり,現時点では「概要配列」を見るためのものです(最終更新日:2002年5月8日)。⇒「DDBJ/CIB ヒトゲノム情報工房」完全配列については、以下のサイトを御覧下さい。⇒ヒトゲノム完成配列(Build 35.1)ダウンロードページこの完全配列(Build 35.1:2004年8月現在の最新データ)ダウンロードページは,米国NCBIから公開されているアノテーションの 付加された最新データを基に,染色体ごとにまとめてコンティグリストを作成したものです。なお,このBuild35.1には,国際ヒ トゲノムシークエンシング・コンソーシウムが決定した配列に加えて,セレラ社が決 定した配列も盛り込まれております。