国際塩基配列データベースの総塩基数が100ギガ(1000億)突破 2005.9.21<dd>DDBJ/EMBL/GenBank 国際塩基配列データベースで収集・提供している塩基 (DNA, RNA) 総数が2005年8月に100ギガ(1000億)塩基を超えました。これは,欧州の EMBL Bank,米国の GenBank そして我が国の DDBJの3者相互による,国際データ交換によって到達した快挙といえます。なお,3者のデータバンクの総称は,今後 International Nucleotide Sequence Database Collaboration(INSDC,国際塩基配列データベース共同体) とすることになりました。
国立遺伝学研究所 生命情報・DDBJ 研究センターの五條堀孝センター長は以下のようなコメントを発表しています。 「国際塩基配列データベース共同体はその基礎を,様々な生命情報を互いに交換し合う,と言う点に置いてきた。システムズバイオロジーの時代となった今,研究者達も,幾千もの遺伝子についての研究の成果やコンピュータによるモデル作成といったようなことに関する複雑で多様な情報を互いに交換しあうようになってきた。 “生命情報を互いに交換し共有しあう”と言う点から見ればパイオニア的存在にある3つのデータバンクが,この素晴らしい偉業を達成したことは,実に重要な意味を持つものである。」
また,EMBL Bank の母体である EBI(欧州バイオインフォマティックス研究所) のグラハム・キャメロン副所長も,次のような談話を発表しています。「これは,国際塩基データバンクの歴史において重要な到達点である。 最初の EMBL Bank の前身である EMBL データライブラリーは1980年に創設されたが,その最初の登録から,今日の少なくとも20万種類の生物から得られた5,500万配列に昇るデータは,世界中の分子生物学者の要求に応えもるのである。」
国立バイオテクノロジー情報センター(GenBank の母体)のデビッド・リップマン所長も次のように述べています。「今日の塩基配列データベースのおかげで,研究者達は,完全ゲノムの情報や生態系の遺伝的構成要素,特許に関連した配列情報などを共有できるようになった。 国際塩基配列データベース共同体 (INSDC) は,塩基配列に関する情報を可能な限り世界的規模で共有することで,塩基配列情報に関するこのプロジェクトを始めた研究者達の夢を実現させたのだ。」
国際塩基配列データベース共同体 (International Nucleotide Sequence Database Collaboration, INSDC) は1980年に EMBL と GenBank がその活動を開始し,DDBJ も1987年より活動に加わりました。 DDBJ は,これまで日本を中心に世界各国の研究者からのデータ登録を受け付け,他の2バンクとデータの相互交換を行いながら国際塩基配列データベース共同体の発展に貢献してきました。
DDBJ に関する詳細な情報は DDBJ のホームページ をご覧下さい。</dd>