DDBJ センターについて
生命情報・DDBJ センター (BI-DDBJ) は、国際塩基配列データベース連携 INSDC (International Nucleotide Sequence Database Collaboration) の一員です。 あわせて、生命科学の研究活動をサポートするため、データ活用を可能にすべく、スーパーコンピュータシステムを提供しています。
活動理念
生命科学のめざましい発展には、塩基配列から得られる知識を欠かすことができません。今日の生命科学では、コンピュータが実験器具と同等に必要です。 たいへんなスピードで蓄積される塩基配列データなどの生命情報を処理・解析するにはコンピュータ科学・情報技術が必須です。 これが生命情報学を誕生させ、発展させている原動力となっています。 BI-DDBJ は、生命情報学のための環境と人材を整備しつつ、国内外における生命科学分野で主要な役割を果たすことを目的としています。
INSDC が提供する情報は、目的や国籍にかかわらず閲覧転用できる科学の共有財です。 世界中の研究者は DDBJ、ENA、GenBank の何れかを通じて INSDC にデータを登録できます。 BI-DDBJ 事業の柱は、研究者の方々がデータを公開・共有する際に、なるべく同じ規則に従った表現で、できるだけ豊かな情報をストレスなく記入していただく仕組みづくりと、公共財の質の向上です。
塩基配列データは久遠の時間をかけて生物が進化してきたことを直接示す記録です。 塩基配列データが人類共通の財産であるという認識のもとに、INSDC はデータを公開しています。
運営体制
BI-DDBJ は、文部科学省からの予算により、静岡県三島市にある大学共同利用法人 情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 (NIG: National Institute of Genetics) で運営されています。
BI-DDBJ 事業は所外委員会である DNA データ研究利用委員会によって監督されています。
現在の DDBJ 運営スタッフはこちらをご覧ください。
主要な活動
国際塩基配列データベースの共同構築と運営
BI-DDBJ は、国際塩基配列データベース連携 INSDC の一員です。
DDBJ に登録された全ての塩基配列データには、DDBJ の
アクセッション番号 (accession number)を発行しています。
アクセッション番号は、塩基配列データベースに登録される塩基配列データに対して個別に与えられ、その配列データに固有のものです。
DDBJ に登録されたデータは、公開時に NCBI と EBI に送られ、世界共通です。
日本からの登録の99%以上が、DDBJ を通じて行われています。
特許出願関連塩基配列データ、および、アミノ酸配列データの提供
国際塩基配列データベース連携 (INSDC) には、日本、韓国、欧州、および、米国の特許庁が収集・処理した塩基配列データも含まれています。
このうち、BI-DDBJ は日本および韓国の特許庁による配列データを公開しています。
参照:
国立遺伝学研究所スーパーコンピュータシステム利用の管理・運用
国立遺伝学研究所スーパーコンピュータシステムは、ゲノム解析を主な目的としたクラスタ型計算機、大規模メモリ共有型計算機、および高速ディスク装置で構成された計算拠点です。
生命情報データの検索・解析サービス提供
生命情報データベースの提供
詳細は WWW サービスを御覧ください。FTP によるデータベースの一括取得もご利用ください。
データ解析用ソフトウェアツールの開発・提供
詳細は国立遺伝学研究所スーパーコンピュータシステムのページで御覧ください。
教育 および 広報
利用者の方々に塩基配列データの登録方法や提供サービスを、より深く理解し有効に活用していただくため、DDBJing 講習会を実施しています。
沿革
1979年 | ロックフェラー大学において国際データベースの構築を議論。翌年、EMBL Data Library の開始(公開せず)。 |
1982年 | EMBL Data Library と GenBank の公開。両者の代表が連名で、国際協力事業への日本参加を要請。 |
1983年 | DNAデータバンク運営委員会設置。 塩基配列データを収集・評価・提供するデータバンク活動で国際的に貢献すべく、試験的なデータ入力を開始。 |
1984年 | 国立遺伝学研究所、大学共同利用機関に改組。 国立遺伝学研究所に遺伝情報研究センター設置。 これに伴い、遺伝情報研究センター内で DDBJ 稼動開始。 |
1986年 | DNA データ研究利用委員会設置。 |
1987年 | DDBJ 定期リリース1を公開。 これをもって公式な DDBJ の活動開始年としている。 |
1995年4月 | 国立遺伝学研究所に生命情報研究センター (CIB; Center for Information Biology) 設置。 これに伴い、DDBJ は CIB に移動。 |
2001年4月 | 生命情報研究センターを改組し、生命情報・DDBJ 研究センター(CIB-DDBJ; Center for Information Biology and DNA Data Bank of Japan) 設置。 以降、DDBJ は国立遺伝学研究所の公式な組織。 |
2004年4月 | 国立遺伝学研究所、国立大学法人法に基づき、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(ROIS;Research Organization of Information and Systems) に属する大学共同利用機関として改組。 |
2005年5月 | DDBJ, EMBL-Bank, GenBank の連携のもとにある国際塩基配列データベースは、その総称を INSDC;International Nucleotide Sequence Database Collaboration とした。 |
2007年4月 | ライフサイエンス統合データベースセンター (DBCLS; Database Center for Life Science) が ROIS に加入。 |
2009年 | DDBJ 運営スタッフの大幅な異動があり、DBCLS との連携を強化。 DDBJ において 次世代シークエンサの出力データを収集する Sequence Read Archive と Trace Archiveの活動が軌道に乗り、これらの Archive も INSDC に加入。 |
2012年4月 | DDBJ を、CIB-DDBJ から独立した国立遺伝学研究所の事業系センター(共同利用事業センター)の1つとして、DDBJセンターに改組。 |
2013年10月 | バイオサイエンスデータベースセンター (NBDC; National Bioscience Database Center)と共同で、 個人に由来する遺伝学的なデータと匿名化された表現型情報を登録するデータベース、JGA;Japanese Genotype-phenotype Archive の運用を DDBJ センターにおいて開始。 |
2019年 1月 | 国立遺伝学研究所の組織改編に伴い、センター名を「DDBJ センター (英語: DDBJ Center)」から「生命情報・DDBJ センター (英語: Bioinformation and DDBJ Center)」に変更。 |